「予備校ってどんなスケジュールなの?」
「社会人からでも高校生と同じように通えるの?」
大学合格を目指すには定番とも言われる予備校。通うか迷っているけど、実際に通った人の体験談って探してみても意外とないですよね。特に社会人からの受験となると、僕は見つけることができませんでした。
私は会社を辞めて獣医学部の合格を目指し、8ヶ月間予備校に通いました。時間が限られている中で確実に獣医学部に合格できるよう、毎日のスケジュールは計画的に組まれていました。
この記事では浪人生でも現役の高校生でもなく、30歳間近だった私が予備校に1人通った日々を紹介します。私の1日の勉強時間は毎日10〜11時間。週1日は休みを設定し、2〜5時間の勉強時間でした。
「同じようにやれば絶対合格できる」とは言いません。けれど今悩んでいるあなたにとって、実際に合格した私の話は何かしら参考になる部分があるはず。特に社会人の方は共通する部分が特に多いでしょう。
予備校に通うか迷っている人、時間の使い方が分からない人は参考にしてみてください!
通った予備校は東進ハイスクール・東進衛星予備校です。共通テスト対策の講座をとり、毎日通いました。東進の話は「【実体験アリ】社会人の大学合格には東進ハイスクールが必須」をご覧ください。
朝は9時から国語か英語
朝はだいたい8時〜8時20分に起床。朝ごはんを食べて準備をし、9時ごろには東進に着くようにしていました。朝はできるだけ寝たいし、疲れが溜まっていますよね。でもそうやって自分を甘やかしているとどんどん起床時間が遅くなってしまうので、起床時間をなるべく一定にすることを意識していました。
どんなに疲れが溜まっていても10時までには到着!を心がけていました
僕の通っていた東進では朝9時までに登校が基本でしたが、僕は30歳ということもあってか、ある程度は個人の裁量に任されていました。なので9時をすぎて登校もしばしば。特に何も言われませんでしたが、東進社員の方の目があるのであまりダラダラと遅く登校することはできなかったですね。
学校や会社と同じで、ある程度の強制があるから毎日行けるんだね
午前に用事がある時は連絡すればOK。ある受験生が「最近来るの遅いけど大丈夫?」と東進の社員に声をかけられていたのも見ましたね。
さてここからは本題の勉強の話。1日の最初である朝は、苦手科目の中である国語か英語の勉強に取り組みました。朝は1日の中で一番集中力がある時間帯です。僕は「朝のエンペラータイム」と呼んでます。なので
・苦手科目の克服
・2、3時間は必要な勉強
・じっくり考える必要がある科目
に使いました。
国語の漢文・古文、英語のリーディングが私にとって課題だったので、朝のエンペラータイムをじっくり使いました。朝は頭が冴えているので苦手科目でも自然と取り組めます。朝はモチベーションも高いので、「よーし!克服するぞ!」てな感じで自分の弱点にも向き合えました。
後述しますが、得意科目は午後の眠くなる時間にやります。モチベーションが高い朝に苦手科目をやっておくことで、午後は得意科目や好きな科目に集中することができました。もちろん朝で足りなければもう一度苦手科目をやってもいいです。
苦手科目は後回しにしてしまう気持ちも分かりますが、
苦手科目は伸び代がある=点数が上がりやすい
なので早めに手をつけてしまいましょう。そうすると点数も上がるし、苦手科目がなくなり本番に向けて不安要素がなくなります。
苦手科目があるままでは難関大学合格は厳しい!早めに取り組もう
朝はテスト形式の問題を解くことも多かったです。本番同様の時間を確保して、本番と同じ集中力で問題を解きます。英語、国語のテストは80分、社会や理科でも60分かかるので復習時間も含めると必然的に時間がかかります。なので集中して長い時間確保できる朝か、夜の時間にテスト形式を解くことが多かったです。
国語と英語に使った参考書もあげておきます。詳しくは「会社を辞めて半年で獣医学部に合格した30代のオススメ参考書と使い方」をどうぞ。
- センター試験の赤本(国語・英語)
- 速読英単語必修編(英語)
- やっておきたい英語長文300(英語)
- 岡本梨奈の古文ポラリス(基礎レベル)
- 漢文早覚え速答法
- 入試現代文へのアクセス(基礎編と標準編)
- 共通テスト対策パック(国語・英語)
1時から40分昼休憩
朝の勉強セッションを終えた後、1時ごろから40分の昼休憩をとっていました。この時間は昼食を食べて散歩したり、アプリで漫画を読んだりしてリフレッシュしていました。
休憩はとりすぎは良くないですが、1日2回は長めの休憩をとりましょう。私は昼休憩と後述する夕方の休憩をとっていました。
ご飯は東進が入っているビル1階にコンビニがあったので、そこのイートインスペースで食べます。週に1回くらいは奮発してラーメンや定食屋などに入ったり。コンビニのイートインスペースには当然高校生もいて、いつもいる子とは顔見知りみたいになってきます。
受験本番が近づいてきて、勝手に戦友みたいなシンパシー感じてました。笑
とはいえ昼時間に他の受験生と交流するようなことはありませんでしたが、東進の社員やアルバイトの大学生とはたまに話してました。共通テストの点数が振るわなかった時にも、「俺は〇〇点で受かったので、ぽこぽこさんなら大丈夫」と言ってくれたり。そんなふうに声をかけてくれるので救われていました。
自宅で1人で勉強していたら交流はなかったことなので、「東進に通って良かったなあ」と感じるポイントの1つです。
そのほかには昼休憩中は
・ドラゴン桜を漫画アプリで読む
・川沿いを散歩する
・本屋に行って参考書を見る
・眠い時は10分ほど仮眠
などして過ごしていました。
個人的に「ドラゴン桜」かなりおすすめです。高校生が東大を目指す話をリアルに描いているので共感できる部分が多く、受験の悩みを共有できる人がいなかった僕にはいい相棒でした。社会人から受験する人、浪人生で友達がいなくて悩んでいる人はぜひ!モチベーションを保てるし、勉強法を紹介しているので参考になります。
最近ドラゴン桜2も出てます。同じ作者で医学部生の日常を描く「ドクターエッグス」も面白いです。気分転換にどうぞ。
午後は5時まで数学か物理
昼休憩明けて午後のセッションでは、得意科目の数学・物理を中心に勉強しました。僕は1度目の大学は理系の学部に通っていたのでこの辺は得意な分野です。
とはいえ大学時代の勉強はあまり役に立たず。大学時代の知識で解ける問題もゼロではなかったですが、ほとんど「大学受験用」の勉強・問題演習を積まないといけず、なかなか苦労しました。
好きな科目だから「苦労したなあ」っていう実感はなかったけど
難しい問題にもどんどんチャレンジし、解けなくても楽しかったです。2次試験に必要な科目でもあったので重要度も高く、気合い入れて解いてましたね。
数学や物理の計算や理論が苦手な人は午前中にやるほうがいいかもしれません。とにかく
得意科目は眠くなる午後にやる
この徹底がおすすめです。できれば時間を忘れるくらい好きな科目が何か1つでもあればいいですね。
眠い時間帯は得意科目で乗り切ろう!
一度午後に国語をやっていた時期がありましたが、苦手科目&文章を読んでいると眠くなるので断念しました。
数学と物理で使っていた科目はこちらです。
- センター試験の赤本(数学・物理)
- 共通テスト対策パック(数学・物理)
- 青チャート(数学)
- 理系数学の良問プラチカ(数学)
- 良問の風(物理)
- 物理のエッセンス(物理)
- リードLightノート(化学)
- 橋爪のゼロから劇的!にわかる無機・有機化学の授業(化学)
- 共通テスト化学の点数が面白いほどとれる一問一答(化学)
夕方に30分休憩
得意科目をやっていても3、4時間続けていると眠くなったり、疲れが溜まってきます。そうなったら無理せず休みましょう!
僕は毎日必ず夕方に休憩をはさんでいました。時間は大体5ー6時ごろ。軽食を食べることもあります。やることは昼休憩とあまり変わらず、漫画をアプリで読んだり、散歩したり、本屋で参考書を眺めたり。
昼休憩もそうだけど、結構長めに休むんだね
集中力が切れても気合いで無理しても次の日に影響するので、「だったら思い切ってしっかり休んじゃおう」っていう感じでした。長期間に及ぶ受験勉強は、途中で中だるみせずに継続することが何より大切です。
僕は腰や首に痛みを抱えていたので、あまり長時間連続して勉強できません。会社員時代にデスクワークだった時からずっと体の不調を抱えており、会社を辞めてからも直す暇はなかったのでそのまま受験期に突入しました。
だから体を休めることは、受験勉強を続けるために何より大事だったんだ
皆さんも無理せず休んでください。無理しながら勉強できたとしても、そんなものはずっとは続きません。特に社会人で受験する方は注意が必要です。
なぜなら、今の自分の体力が「高校生の時と違う」ことを意識せず、無理がある計画を作ってしまうからです。僕も最初の1ヶ月はとにかくがむしゃらに勉強し、1日13時間勉強を目標にしていました。
でも1ヶ月で挫折しました。体も悲鳴をあげ、腰と首の痛みは悪化しました。
皆さんにはそんな失敗をしてほしくありません。ぜひ自分の体力に見合った勉強計画をたてましょう。その上で「もっと勉強しないとやばい」と思うのであれば、勉強方法を学んで勉強の効率をあげましょう。
大人には大人のちゃんと勉強法があります。勉強時間だけにとらわれないようにしましょう
そうは言っても、どうやって勉強法を学ぶの?
僕のおすすめは
・勉強ができる人の真似をする
・プロにアドバイスを聞く
・本やYoutubeで学ぶ
です。真似しちゃうのが一番手っ取り早いですが、「そんな人は近くにいない」「自分で考えたい」という人におすすめなのが本やYoutubeです。
勉強法を紹介しているYoutubeはこちら
Quiz Knock
伊沢拓司率いるクイズ集団のチャンネルで、エンタメが多いですが勉強法の発信もしています。ほぼ全員東大生なので実績は間違いなし。楽しく動画も見ながら学びたい人におすすめですが、ハマりすぎないよう注意です。
PASSLABO in 東大医学部発「朝10分」の受験勉強cafe
東大医学部生が中心となって勉強を発信しているチャンネルです。地方の受験生が東大に入れるよう、受けたほうがいい模試やスケジュールの立て方など受験生の悩みはほとんど解決してくれています。話す内容のレベルが高いので、自分に合った勉強法だけ取り入れるように注意しましょう。
武田塾チャンネル|参考書のやり方・大学受験情報
「参考書がいらない予備校」で有名な武田塾。〇〇大学に合格するためには参考書をどの順番で、どれくらいの期間使ったらいいのか、細かく教えてくれます。受験のプロが話すことなので信頼でき、非常に参考になります。おすすめ参考書を知りたい方はおすすめです。
勉強法については「会社を辞めて半年で獣医学部に合格した30代の最強効率勉強法」でより詳しく紹介しています。
もちろん東進に通っていれば、いつでもプロに勉強方法を相談できます。
もっと詳細を知りたい方はぜひそちらをご覧ください。
夜は8ー10時まで
さて夕方の休憩が明けると、残りの勉強はあと3ー4時間です。最後の一踏ん張りって感じで、やれる時間まで勉強していました。この時間になると意外とハイになって、眠気もなく勉強できるかも。
とはいえ無理は禁物。集中できなくなってきたなーと思ったら無理せず切り上げよう
僕は大体9時には切り上げていました。「ここまでもう十分勉強したからOK。いつ帰っても大丈夫だけど、もう少しだけやろう」というような気持ちで気軽に勉強しましょう。
この時間の勉強ですが、基本的には自由です。ここまででやった勉強を復習してもいいし、週末に模試があるなら模試に向けた勉強をしてもいいでしょう。僕は1週間ごとに勉強の目標を決めていたので、夜の時間は自分が決めた1週間の目標を達成するために勉強することが多かったです。
1週間の目標とは例えば
・古文の文法を総復習する
・数学のベクトルを得意にする
・現代社会のテキストを一度終わらせる
などです。できるだけ具体的に決めると「今週は古文をやる週だな」とメリハリがついて、長い受験も乗り切れるでしょう。「古文の文法を総復習」と目標を決めた週の場合、夜には2、3時間古文の文法を勉強していました。
1週間の目標の立て方は「会社を辞めて半年で獣医学部に合格した30代が勧める週間目標勉強法」で紹介しています。
週間目標の勉強が終わっている場合、自由に勉強しましょう。僕は化学や現代社会など、1日の間に勉強できなかった科目をこの時間にやることが多かったです。
僕が使っていた化学、現代社会のおすすめ参考書はこちら
- 蔭山の共通テスト現代社会(現社)
- 完全MASTER現社問題集(現社)
- 共通テスト対策パック(現社、化学)
- センター試験の赤本(現社、化学)
- リードLightノート(化学)
- 橋爪のゼロから劇的!にわかる無機・有機化学の授業(化学)
- 共通テスト化学の点数が面白いほどとれる一問一答(化学)
帰宅後は音読かリスニング
予備校から帰宅したらまずは一息つきましょう。お風呂に入ったり、夜ご飯を食べたりして一度リラックスしてもいいでしょう。疲れが溜まっている時はこのまま寝ても良いし、少しならゲームをしたっていいです。なぜならもうあなたはすでに12時間近く勉強しているはずなので。
すでに充実した1日を送っています。自分を褒めてあげよう
その上で僕は余力がある時期は英語のリスニングと英語の音読をしていました。リスニングは市販の教材を使って10分ほど勉強。音読は日中に読んだ英文を声に出して読んでいました。
こんなに疲れてるのに英語の音読?意味あるの?
英語の音読は人によって意味がないものと思っているかもしれません。しかし英語音読による効果はたくさんあります。具体的な効果は
・音をそのまま英語のイメージに結び付けられる
・英語→日本語に変換せずに理解できるようになる
・英語を読むスピードが速くなる
実際僕も音読を半年間続けたことで英語を読むスピードが格段に速くなりました。受験勉強を始めた頃は、共通テストのリーディングを時間内に読みきれず、「問6を丸々1題残してタイムアップ」が通常運転でした。
しかし英語の音読を3ヶ月後続けた頃には時間内に読み切れるようになり、音読6ヶ月目には見直しの時間を5−10分確保できるようになりました。
英語の音読の効果は至る所で言われています!「必ず必要な学習の一つ」と僕の経験からも断言できます。ぜひまず1ヶ月試してください。必ずストレスなく英文を読めるようになります。
睡眠時間についてですが、7時間は取っていました。睡眠時間が短いと翌日の眠気につながり、集中力が削がれ、勉強効率がガクッと下がります。睡眠は大事です。睡眠時間を削るよりも、勉強効率をあげて志望校合格を目指しましょう。
でも受験って睡眠時間を削ってやるイメージあるよ?
そんなイメージは時代遅れ!!令和の受験は精神論でガムシャラに追い込むようなものではありません。今のトレンドは
効率よく、科学的根拠に基づいた勉強です
睡眠時間を削らなきゃいけないとしても、せめて受験直前1ヶ月前とかからにしましょう。睡眠を削ったとしても本番直前1週間はたっぷり寝ましょう!
またあまり長時間続くと体を壊す恐れがあるので、睡眠時間を削るのは最終手段です。
「会社を辞めて予備校に通った時の1日の過ごし方 30代獣医学生の実体験」まとめ
会社を辞めて予備校に通った8ヶ月は、決して楽なものではありませんでした。最初の1、2ヶ月は夢に向かって進めているワクワク感で毎日が順風満帆でしたが、後半戦はやはり精神的にも辛い時期がありました。
精神的に辛い時、毎日のスケジュールを厳格に決めていることが心の支えになっていました。不安であっても「何をやるかは決まっている」状態だと、あまり深く考えることもなく、すぐ勉強に取り掛かれます。
スケジュールが決まっているメリットを一言で言うと
どんな精神状態の日でもすぐ勉強に取り掛かれる
です。なので皆さんもぜひ自分なりのスケジュールを決めてください。当然最初からうまくいかないとは思いますが、試行錯誤を繰り返して自分が信じられる1日の流れを決めていってください。実際僕も2、3回はルーティーンを変え、いろんなことを試して今のスケジュールに辿り着きました。
この30代の獣医学生の実体験を通じ、時間管理、自己規律、持続的な努力が重要であることを改めて学びました。そういう意味でも受験をしてよかったなあと思います。受験勉強が終わった後も、2回目の受験で身につけたこれらのスキル・自信は今の大学生活やキャリアに生かされています。
社会人から大学受験を目指す皆さん。ぜひ「辛いなあ」と思いながら耐えるだけでなく、せっかくの挑戦ですから楽しんでください!辛い時はぜひ僕のブログを見てください
これからも皆さんの為になるよう情報を発信していきます。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
終わり。
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