【合格体験記】社会人から獣医学部。大学以外の道、大学の選び方

社会人受験

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こんにちは、獣医学生ぽこぽこと申します。社会人から獣医学部を受験して合格し、現在30歳の獣医学生です。

この記事では社会人から獣医学部に入学した私が、実際に合格するまでに考えてきたことを紹介します。同じように社会人で獣医学部の受験を考えている方の参考になれば幸いです。

社会人からもう一度大学に入り直すのは不安ですよね。人によっては配偶者や子供がいる方もいるでしょう。入試を受けると決めてからも落ちたらどうしよう、何年もかかってしまうかもと不安になり本当にその選択でいいのか毎日考えてしまうと思います。

この記事は、以下のような悩みを持つ方におすすめです。

  • 獣医学部に入る以外の道はないのか
  • 社会人から編入することはできないのか
  • どのような試験があるのか
  • 社会人が大学を選ぶ上で抑えるポイントは
  • 本当に社会人から獣医学に入れるのか

ぜひ最後まで読んでいってください。

社会人から「大学入学」以外の選択肢を知る

愛玩動物看護師の道を知る

社会人から獣医学部に入りたい人は、「獣医師としてペットや産業動物の病気を治したい」という人が多いでしょう。ですが、獣医学部に入ると6年間のカリキュラムが必要です。6年間は長すぎるという方は、獣医資格を取らなくても動物医療に関わることができる愛玩動物看護師も視野に入れてみましょう。

ただし現在はこの愛玩動物看護師は国家資格となっています。従来は動物看護師として働くために資格は必要なかったのですが、2022年に「愛玩動物看護師法」が施行され国家資格が創立されました。

今からこの愛玩動物看護師を目指すには、(1)大学で農林水産大臣及び環境大臣が指定する科目を修めて卒業する。(2)都道府県知事の指定を受けた愛玩動物看護師養成所(専門学校など)で3年以上学び、技能を習得するーのどちらかを達成してから、国家試験に合格する必要があります。

獣医師という職業にこだわらずペットの医療に関わりたい、という人は6年間大学に通うよりも短期間で資格を取れる愛玩動物看護師を考えてみてもいいでしょう。

なお、(1)かつて大学などで上記の科目を修めたことがある人、(2)現在動物看護師として働いている人、の場合はすでに受験資格がある可能性があるので確認してみましょう。

環境省「愛玩動物看護師をめざす方へ(資格・試験情報)」

社会人向けの大学院で獣医学を学ぶ道を知る

社会人向けに獣医学のカリキュラムを組んでいる大学もあります。

例えば宮崎大学の大学院では、社会人として仕事を続けながら獣医学分野の勉強をすることが可能です。

土日、平日の夜間に授業を実施し、さらに1学年2年間かけて勉強する長期履修の制度もあります。

宮崎大学大学院医学獣医学総合研究科 | 社会人への配慮

国家資格である獣医師免許を取得することはできませんが、獣医療を大学院で研究することで今とは違ったキャリアへの道がひらけます。

社会人から獣医学部入学の方法を知る

学士編入学の道を知る

学士編入学とは、4年生以上の大学を卒業(見込み)し、学位(学士)を取得している人が、大学途中から編入できる制度です。

例えば北里大学では、2年次に編入することができます。1次試験が基礎学力試験(英語、数学、理科)、書類審査。2次試験が小論文、面接です。

合格者が「若干名」とあり厳しい道ではありますが、大学に通うのが1年短くていいことや共通テストの勉強量を考えると検討の余地はあります。

23年時点では国立大学の編入制度はすべて終了しています。なので必然的に私立大学への編入となるので、学費を払えるか確認してください。

一般入試の道を知る

学士編入学とは異なり、高校生と同じように共通テストを受けて各大学の2次試験を受けるルートが一般入試です。社会人も高校生と同じ条件で受験し、試験の結果で合格が決まります。最も手間も時間もかかるルートですが、合格して6年間通えば獣医師の国家資格を取得できます。

大学によって受験科目数は異なりますが、一般的には共通テストで数学、国語、英語、理科、社会、2次テストで2〜4科目。行きたい大学の受験科目は、各大学のホームページで募集要項を確認すると分かります。また25年度から共通テストが再度変わるので注意が必要です。

獣医学生ぽこぽこは「どうしても獣医師になりたい」という思いがあり、私立大学は学費の面で難しかったので、この一般入試で合格しました。高校生と同じ条件なので厳しい道ですが、学力が上がりさえすれば対等に戦うチャンスがあるとポジティブに考えていました。あと単純に大人になってからする勉強は楽しかったです(最初は)。

社会人の大学の選び方

数学Ⅲなしで受験できる大学へ

社会人から大学に一般入試で入ろうとする場合、最も厳しい戦いになるのが数学です。数学には数学Ⅰ・A、数学Ⅱ・B、数学Ⅲがありますが、その中でも数学Ⅲは別格の難易度です。

代表的なものとしては、複素数平面や微分積分の応用である不定積分、区分求積法、数列だと無限級数など。大学で数学を履修した方はともかく、単元名を聞いてもピンとこない人がほとんどでしょう(私もです)。

数学Ⅲの分野は、まず概念を理解するのが非常に難しく、解放はほぼ暗記していないといけません。テキストの最初に解くような基礎問題ですら難しいので、入試でも応用問題は出にくい傾向にあります(一部大学を除く)。逆にいうと、数学得意な方からすると応用問題が少ないので一度解法を理解してしまえば点を取りやすい分野ともいえます。

ですが、そのレベルに到達するまでかなりの時間を要します。社会人から獣医学部へ入ろうとする場合、ほとんどの方が仕事をしながらの勉強になるでしょう。少しでも負担は減らしたいですよね?

そのため社会人から獣医学部に入学したい方には、数学Ⅲを受験しなくていい大学を勧めます。「理系大学なのに、そんな大学あるの?」と思うでしょうが、意外とあります。

筆者である獣医学生ぽこぽこも、数学Ⅲは受けませんでした。青チャートは買いましたが、結局一度も勉強しませんでした。

現代社会で受験できる大学へ

「現代社会」とは共通テストで受験する社会科目の一つです。この社会科目は24年度時点で10科目ありますが、大学によっては「地理B」または「倫理・政経」など受験できる科目が決まっていることがあります。

高校生であれば志望校に必要な社会科目を調べて、その科目を勉強することになります。しかし社会人には勉強の時間はあまりありません。選べる社会科目の中で、できるだけ点の取りやすい科目を勉強するべきです。

「現代社会」は一般常識からの出題が多く、時事的な要素が最も強い科目です。なので社会人の方が現役高校生よりもアドバンテージがあります。ニュースでなんとなく聞いたことあるような…で解ける問題もちらほら。

どのような問題が出るかイメージするために、23年度の問題を一問抜粋します。興味がある人はどうぞ。

問、日本の選挙制度に関する記述として最も適当なものを、次の①〜④から一つ選べ。

①国政選挙において、外国に居住する日本人は、法律上、投票できないことになっている。
②選挙運動の期間中に、その選挙の候補者が戸別訪問を行うことは、法律上、認められている。
③一定の年齢に達した者が、その財産や納税額などにかかわりなく、選挙権を行使できる選挙は、秘密選挙と呼ばれる。
④ある候補者の選挙運動の責任者が、その選挙に関して公職選挙法違反で有罪となった場合、候補者の当選が無効となることがある。

どうでしょうか。このような感じで、聞いたことあるような、でもちゃんと勉強したことはないかも、レベルの問題が多いです。なので社会人が勉強すると実生活と根付いているため高校生よりも理解が早く、政治、経済、国際分野、倫理などの分野の一般常識を身につけることができるのも現代社会がおすすめの理由です。

ただし現代社会で満点を取るのは正直難しいです。出題範囲もあいまいな点があり、年々広がっているとも言われています。ですが、初めて受験しても普段からニュースに興味がある方は50点以上は取れるでしょうし、少しの勉強でコスパ良く80点付近を目指すことができます。これが日本史や世界史ではこうはいかないでしょう。

リスニングの配点が低い大学へ

これは英語のリスニングが苦手な人、社会人になってから英語にあまり触れていないという方におすすめです。社会人になっても英会話教室やTOEICの勉強を続けてるよ、という方は大丈夫です。

21年の入試からセンター試験が共通テストに変更され、英語の配点が変更されました。今までのセンター試験ではリーディング200点、リスニング50点だったのでリスニングはあまり重要視されていませんでした。

これが共通テストになってリーディング100点、リスニング100点となり、リスニングの点数が重要になってきました。リスニングで高得点をとるには毎日の継続が欠かせず、最低1年ほど時間がかかります。

しかし、一部の大学ではまだ共通テストに移行したばかりということもあってか、このリスニングの配点が低い大学があります。

例えば岩手大学の令和5年度募集要項にはこうあります。「リーディング(100点満点)を160点満点に、リスニング(100点満点)を40点満点にそれぞれ換算後、合計した得点を利用します。」。

これはつまり、リーディングで仮に100点取ればそれだけで200点中160点をゲットできるということで、リスニングは満点でも40点なのであまり力を入れる必要がなくなります。60〜70点取れれば十分でしょう。リスニングの勉強にかかる時間を大幅にカットすることができます。

まとめ

以上、獣医学生ぽこぽこが実際に獣医学部を受験する前に考えていたことを紹介しました。

果たして自分は本当に獣医学部に入るしかないのか、自分の環境とリスクは見合っているか、家族は納得してくれるのか。そしていざ入試を受けるとなったらどの大学を受験するのか。たくさん考えることがありますので、ご自身の置かれた状況や学力に合わせて選択していくといいでしょう。

獣医学生ぽこぽこも受験する前は、相当厳しい戦いになると腹をくくっていました。ですが実際に入試を受けるとなったら必ずしも不利なことばかりではなく、社会人ならではのメリットもたくさんありました。そういうことも今後お伝えしていきます。

社会人から獣医学部受験を考えている方の疑問が少しでも解決したら嬉しいです。

この記事を書いた人
社会人獣医学生ぽこぽこ

社会人から獣医学部に合格した30代。
獣医師目指して勉強中です。

受験を考えて不安な方、知りたい情報がある方にとって有益な情報を発信できるよう、このサイトを作りました。
勉強法、受験にかかった費用、共通テストに関する情報など、僕の体験談を踏まえてお伝えします。

自分が社会人で大学受験した時「こんなサイトがあったら良かったなー」と思えるサイト作りを心がけています。

共同執筆者は友達のエイトマン。
彼は元国語教師です。

趣味は英語学習、映画鑑賞、マンガ。
徒然なるままに、心に移りゆくよしなしごとを記していきます。

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