小学校から野球の投手一筋のエイトマンです!
夏の甲子園も終わり、慶應義塾高校が二年生投手陣と、大物打ちはいないものの巧打者が並ぶ打線、まとまった守備力で約100年ぶりの優勝を果たした。
セ・リーグでは阪神が18年ぶりに優勝。
どちらのチームも共通しているのが安定した投手力である。
では、その投手力を引き出すためにはバッテリーの共同作業である、「配球」と「リード」の洗練が不可欠だ。
今回は20年以上野球に携わってきたエイトマンが、「配球」と「リード」の違いについて説明していこうと思う。
「配球」とは
世間的には同じ意味で用いられているが、私は元千葉ロッテ里崎氏の本を読んでから、この二つの言葉を明確に使い分けている。
まずは「配球」の意味から。
「配球」とは「理想論」である。
「いかに打者を三振で抑えるか」という考えを「配球」と捉えてもいい。
つまり、投手の能力、その日の調子やグラウンドコンディションといったものを度外視したうえで打者を1打席の中でどう三振に抑えるべきかという考えのもと、投げる球を選択するのが「配球」である。
これは「理想論」であるため、投手の投げミス(逆球など)は考慮しない。
パワプロで例えるなら、絶好調の投手が打者と1打席勝負する時の球種選びが「配球」である。
もちろんこの場合は投手の状況、ランナーの有無、点差などは一切考慮しない。
しかし、「リード」となると異なってくる。
「リード」とは
「リード」はその日の投手の状況、ランナーの有無、グラウンドコンディション、打者の力量、自チームの守備力などすべての要素を含んだ上での投球の逆算だと私はとらえている。
例えばランナー1塁時、「配球」では「三振を取る」ために投げる球を逆算していくが、「リード」ではどうやって打者にゴロを打たせゲッツーを取るかなど、投げる球の選択が大きく変わってくる。
また、その日のマウンドに立っている投手のコンディション(どの持ち球でストライクが取れているのか、または取れていないのか、など)も含めたうえで捕手は投手を「リード」していかなければならない。
「リード」は「配球」と異なり1球1球で常に変化していくものでもある。
投手が投じた球に対する打者の反応、インコースに投げるはずがアウトコースに行ってしまう、など理想論である「配球」とは違い、「リード」は予測しづらい出来事も想定する必要がある。
前の打席で投じた球種にも考慮しなければならないだろう。
前の打席で3球カーブを投じて打ち取ったのなら、打者は当然そのカーブを警戒してくる。
今回もそのリードでいくのか、または違うリードで攻めるのか、よりベターな選択をする能力がバッテリーには求められるのである。
まとめ
今回は野球でよく用いられる「配球」と「リード」の言葉の違いについて説明した。
野球に携わっている方々は、この言葉の違いや捉え方についても考えていくと、野球の奥深さを味合うことができるだろう。
次回は先発投手の条件について記していきたい。
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